高野の鍼灸Q&A
本当です。
私どもは鍼灸専門であるがゆえに手がすべてであり命なのです。
手が悪いと鍼灸治療そのものを施すことができませんし、
たとえ施術したとしても治療効果は上がりません。
体の悪いところを探す時も手の感覚が全てです。
そして実際の鍼治療では「手」と「手から送られてくる情報を受け取る脳」のコラボレーション・・・ほぼ直感といっても過言ではないフィードバックが必要となります。
手⇒脳⇒瞬間的に情報整理⇒手⇒針先⇒針先の状態を指先で確認(感覚的なもの)⇒脳⇒患部組織での変化などの情報を再整理し瞬時に指先にフィードバック(微調整)⇒針先の位置の変更(微調整)⇒何回か繰り返し一つのツボの鍼打ち終了。
このような感じですから、
瞬間的な爆発的集中力が必要となります。
鍼特有の特殊感覚(重だるい感じなど)を出現させなければならない時などは鍼を1ヶ所打つだけでも凄まじい集中力を要求されます。
そしてさらにその上を行く超・集中力が要求されるのは場所によって違いますが重要な臓器に針が当たらないように細かな点にまで配慮しなければならないような注意を払いながら針を打たなければならない時です。
その集中力たるや凄まじすぎて言葉に言い表せること等できません。
ただ単にポンポンと針を打って終わりとするような打ち方とは比較のしようもないほどの集中力を要します。
私の場合、
この術式を1日に600~900回(多い時で1200回)ほど繰り返しています。
1日の患者様の治療がすべて終了するまでは集中してますので疲れ知らずですが、
治療終了後集中力が切れた途端にクタクタになり頭の中が真っ白になります。
そしてあくびが止まらなくなります。
信じられないかもしれませんが、
時には30回は連続で出ているのではないだろうかと思うほどあくびして脳に酸素を補給しているのです。
別に眠い訳ではないのですがあくびが止まらないのです。
涙鼻水だらだらです。
私が思いますに脳に酸素を補給させるついでに精神的緊張から早急にに脱せさせるために涙からアドレナリンを急速に排出させているのかもしれません。
脳に酸素が補給し終えたらあくびが止まりすっきりし完全なる副交感神経優位状態に達します。
私の場合治療は3日が限界です。
3日治療したら1日の休息を取らなければどうしても集中力が維持できないのです。
手と脳の休息・・・。
すごく大事なんです。
そして休日の手を怪我させる恐れのあるスポーツなどはすべてご法度です。
以前「NHKのプロフェッショナル仕事の流儀」で「すし職人」の話がありましたが、
この方も手が命ということで、
普段はいつも手袋をして手と指先を守っていました。
私も本当はこれぐらいのことをしなければならないのだろうと思いますが、
現在ここまではしていません。
でもしなければいけないのかも・・・。
と真剣に考えています。
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